季節繁殖動物の特徴
シマリスは一年のうちの、決まった時期に繁殖を行う「季節繁殖動物」です。
シマリスは体内時計を持っているという記事は以前書いたことがあります。
冬眠する習性を持っているシマリスは、特に優れた体内時計を持っているとされています。
なのでいくらケージ内を温度管理したとしても、季節が変わるにつれてシマリスの行動は常に変化するのです。
もちろん季節の変化に応じて、シマリスが好む食べ物にも変化が見られるようになります。
飼育下では野生のシマリスと全く同じようなエサを与えることは難しく、工夫が必要になります。
時期によって好む食べ物が変わる
春は繁殖の時期ですので、動物質のものを多く与えると良いとされています。
夏は虫が多くいますから、昆虫類を好んで食べるようになります。
また秋から冬は冬眠に向けての準備期間ですから、貯食を行うことが多くなります。
いくら飼われているリスで、エサも安定的にもらえるからといって、貯食するのはシマリスの本能ですね。
この時期のシマリスは、この本能に従って「エサを溜めたい」という欲求が強くなるそうです。
エサを溜め込んで満足しますから、秋には溜め込んでも痛まない種子類などを多く与えると良いでしょう。
動物性タンパク質のエサ
一番手に入りやすい、おすすめなエサが「煮干し」、「ドッグフード」、「チーズ」、「卵の黄身」などがあります。
ただし、煮干しやチーズといったものは、味が強い人間用のものよりも塩分を控えてあるペット用のものを与えると良いでしょう。
野生のシマリスは昆虫も捕まえて捕食します。
昆虫は貴重なタンパク源というわけです。
シマリスは生きた昆虫を食べたいという欲求を持っていますから、昆虫が多くなる夏には昆虫を欲しがることが多いです。
さすがに昆虫を捕まえてきて与えるということに抵抗がある人も多いかと思います。
私もそのうちの一人でした。
幸いペットショップでは、コオロギやミルワームといった昆虫の缶詰めが売られています。
これを利用するのをオススメします。
与えてはいけないもの
いろんなものを与えるとはいっても、与えてはいけないものもたくさんあるのです。
もう一度、シマリスに与えるべきではない食べ物についてまとめてみようかと思います。
人間のおやつ
人間のおやつ類は糖分や脂肪分が多いため、肥満や内臓疾患などの原因になってしまいます。
中でもチョコレートには中毒をおこす成分が含まれていますから、絶対に与えてはいけません。
もちろん人間用に味付けされた食べ物もシマリスには刺激が強すぎます。
塩分が強かったり、辛いものなどを与えてはいけません。
牛乳
牛乳には乳糖という成分が含まれていますが、シマリスはこの乳糖を分解できません。
なので牛乳を飲ませると下痢をしてしまいます。
ミルクを与える際は、ペット用のペットミルクを買ってきて与えましょう。
ネギ類やジャガイモの芽などの野菜
ジャガイモの芽にはソラニンという物質が含まれていることはよく知られていますね。
シマリスもこのソラニンは中毒を起こすため与えてはいけません。
また、ネギ類(たまねぎやねぎ)にもシマリスにとって有害な物質が含まれているので与えてはいけません。
案外忘れやすい注意点でもありますので絶対に覚えておきましょう。
品質が悪化したもの
保存が効くからといって、古すぎる種子やカビが生えたもの、傷んでいる食べ物は与えてはいけません。
とはいえ、シマリスも物の良し悪しが分かるのか、古い種子や腐ったものは食べようとしないので大丈夫かと思います。
ベタつくようなもの
餅などに代表される、ベタつくような食べ物はシマリスには良くありません。
シマリスは頬袋に食べ物を溜め込みますので、ベタつくような餌だと頬袋から取り出せずに腐ってしまいます。
まとめ
シマリスにはいろんなエサを季節ごとに変化をつけて与えてあげるのがベストだとされています。
しかし飼育下におけるシマリスに、野生のシマリスと同じようなエサを与えるのは難しいです。
手に入りやすいもので代用ができますので、与えてはいけないものに注意を払いつつ、いろいろ与えてみましょう。