冬眠するリス
自然界において、冬眠するとされているリスはシマリスだけです。
シマリスの冬眠に関して、まだ詳しくは解明されてはいませんが、最近様々な研究から分かってきたこともたくさんあるそうです。
シマリス飼育に関して、必ず知っておかないといけない冬眠。
これを知らずに飼育すると、シマリスの命に係わる危険性も大いにあります。
今回はこのシマリスの冬眠について書いてみようと思います。
冬眠の時期
シマリスの冬眠の時期に関しては、はっきりとこの時期だと決まっているわけではないです。
これが最も難しいことではありますが、大まかに言えば食べ物が少なくなる10月から、再び暖かくなって食べ物が手に入りやすくなる4月、5月にかけて地面に穴を掘り冬眠に入るケースが多いようです。
一般的な冬眠とは少し違う
シマリスの冬眠は、一般的に言われている冬眠方法と少し異なります。
というのも、一度冬眠に入れば、再び目覚めるまでずっと寝たままというわけではないのです。
シマリスの冬眠が、クマとは違う特殊なものであるのはこういうところの違いによるものです。
冬眠しながらも、2、3日に一度は目覚めてトイレに行ったり食事をしたりするのがシマリスの冬眠です。
これを中途覚醒と呼びます。
冬眠中は
冬眠中のシマリスは、活動中の時と比べて体温も5℃前後に低下し、呼吸も脈拍数も大幅に激減します。
これは、エサの少ない時期に無駄にエネルギーを消費しないように、いわゆる「省エネ」モードに入っている状態であるわけです。
冬眠しながらも、少しずつエネルギーを消費しながら春の到来をを待つのです。
ちなみに冬眠中のシマリスのエネルギー消費量は、活動時に比べ100分の1以下になるとされています。
死んでる?!
冬眠中のシマリスは体温が5℃と非常に低く、一見死んでいるようにも見て取れます。
これを発見した飼い主が死んでしまったと勘違いして埋めてしまう、といった例も少なくないのです。
死んでいる時と違って体の死後硬直はないのが特徴です。
よく観察していると微かにおなかが浮き沈みしていて、呼吸しているのが分かると思います。
飼育下における冬眠
自然界のシマリスとは違い、飼育下においては冬眠は避けるべきというのが一般的な飼い方であるとされています。
冬眠には体にかかる負担も大きく、生命保持のための命がけの行為でもあるからですね。
私自身も、飼育下のシマリスは冬眠させるべきではないと考えています。
冬眠を避ける方法とは、ズバリ「保温」!
これしかないと思います。
外気温が10℃を下回ったくらいから冬眠モードに入ってしまう傾向にあります。
飼育下ではヒーター等を使い20℃を下回らないような環境を作ってあげる事が必要になります。
もし冬眠してしまったら?
しっかり保温もしていたのに、冬眠してしまった!
こういう場合も結構あると思います。
こういう時には温めて起こしてあげればよいのですが、急激に温める事は良くないとされています。
眠っているシマリスを手の中で少しずつ温めて起こしてあげると良いでしょう。
起こさない場合は、安心して冬眠できるように暖かい床材や綿などを用意します。
また、いつ起きてきてもよいようにエサ皿には常にエサを置いてあげるとよいでしょう。
冬眠させる派、させない派
シマリスを飼っている人には冬眠させる派の人と、冬眠させない派の人がいます。
冬眠させると、させないの違いもちゃんとあります。
冬眠させないでいると脈拍数も呼吸数も多いので、いわば生き急いでいる状態であると言えます。
一方冬眠するシマリスの場合、呼吸も脈拍も大幅に減少するので冬眠させない場合と比べて長寿になる傾向にあるわけです。
どちらの飼育方法でも構わないのですが、やはり冬眠させない方がシマリスにとってもリスクが少なく良い方法だと考えます。