臆病なシマリス
シマリスはとっても臆病で警戒心も強い生き物です。
ちょっとしたことでもびっくりして、個体によってはショック死するリスもいるほどです。
いきなり大きな音を立てたりしないように気を付けるべきです。
スキンシップを取ることも人に馴れさせるためには必要な事ですが、基本的にシマリスは野生を根強く残した生き物なので、イヌやネコとは違ってスキンシップの得意なペットではないのです。
急激に距離を縮めるということせずに、徐々に人に馴れてもらうというシマリスの立場に立って考える事が重要です。
元々が野生のシマリスは皆、人に触られるのを嫌うという事を念頭に置いておきましょう。
嫌がっているリスを無理に捕まえたり、追い回したりといった事をするとリスにとっては恐怖でしかなく、一気に距離が離れてしまいます。
焦らずゆっくりと飼い主に馴れてもらいましょう。
シマリスにも個性があり、すぐに手に乗るようになるリスもいれば、まったく手にも乗らずおびえて逃げ回ってばかりというようなリスもいます。
シマリスの性格をいち早く理解し、そのリスに合った接し方を心がけるようにすべきです。
連れて帰ってからの接し方
ステップ1
ペットショップから連れて帰ってきたばかりの頃は、新しい生活環境に慣れていないため、とても神経質になっている事でしょう。
新しい環境に慣れるまではできるだけ構わずに、そっとしておいてあげて下さい。
数日も経てば徐々に慣れてきて落ち着くようになります。
環境に慣れて落ち着きだしたら、人にも慣れてもらいましょう。
ステップ2
ケージに近づいても逃げないようになってきなのならベタな方法ですが、まずはケージ越しにエサをあげるところから始めると効果的かと思います。
オヤツは特に効果的で、好物をくれる人には特に敏感に反応します。
シマリスの記憶力は良いので、エサをくれる人、世話をしてくれる人をちゃんと記憶しているのです。
こうしてリスの名前を呼びながらエサを手渡しするように習慣づけることができればしめたものです。
ステップ3
次のステップとして、ケージの近くに行くと自分から寄ってくるようになったシマリスは、「何かもらえるのかな?」と期待して寄ってきていますので、今度はケージ越しではなくケージの中に手を入れて、手の上でオヤツをあげてみて下さい。
これを繰り返す事で、シマリスは人間の手に慣れて次第に怖がらなくなります。
このステップは根気が必要です。
特に人が苦手な逃げ惑うようなリスの場合は、ここで何か月もかかってしまう事もあります。
ステップ4
怖がらなくなったら手で触れても逃げないと思いますので、そっと撫でてみましょう。
ここでパニックにならずに触らせてくれるようになれば、手乗りリスまでもう少しです。
自分で手の上に乗ってくるようになったら、そっとリスをすくい上げてみましょう。
この時決してリスを鷲掴みにしてはいけません。
びっくりさせてしまい、せっかく縮まった距離が一瞬にしてまた離れてしまいます。
シマリスに関しても、「信頼は築くのに莫大な時間がかかり、失うのは一瞬」だという事を覚えておきましょう。
ステップ5
人に馴れて手に乗るようになったら、ケージから出してみましょう。
部屋の中で遊ばせる場合は、危険なものが部屋の中にないか十分注意してください。
シマリスを持つ時
シマリスを手で持つ時は両手で優しく包み込むようにします。
決して上から掴んだりしてはいけません。
上から掴む = 天敵に捕食される
という事に通ずるものがありますので、シマリスの心が離れてしまいます。
またあまり馴れていないリスの場合、噛まれても平気なように手袋をした方が無難な場合もあります。
シマリスの尻尾は切れやすい構造になっており、絶対に尻尾を掴んではいけません。
またボーっとしていてこちらに気付いていないシマリスにいきなり触ると、びっくりして噛むことがあるので声かけして、気付かせてから触るようにしましょう。
シマリスのしつけ
シマリスは躾けることは不可能な生き物だと思ってください。
イヌやネコのように叱って躾ける事はできません。
シマリスはあちこちでオシッコをしたり、かじってはいけないものを齧ることも多々あります。
また人を突然噛むことだってあるのです。
シマリスが噛む理由はいろいろとありますが、そこで叱ったところでシマリスは叱られていると理解する事ができないのです。
シマリスにはただ単に、攻撃されている、辛い目に遭わされているとしか受け取りません。
叩いて叱ったりすれば、人間に対する恐怖心だけを与えてしまい全く意味がありません。
ですから、突然シマリスに噛まれたからといって絶対に叩いて叱ったりしてはいけません。
シマリスのしつけはできませんが、シマリスの習性をよく理解する事で間接的にしつけた状態にする事なら可能です。
トイレは覚えませんが、決まった場所をトイレにしますのでシマリスがトイレと決めた場所にトイレを置く。
齧らないようにしつけられませんが、齧られてはいけないものをケージの中に置かない、齧られても大丈夫なように対策を立てれば良いわけです。
いかなる時もシマリスに合わせるという癖をつけるようにしましょう。