シマリスと不正咬合

 

不正咬合(ふせいこうごう)とは?

不正咬合と呼ばれる病気があります。

これは齧歯目に代表される、ウサギやネズミやリスに見られる口腔疾患の一つで、これにかかるとちょっと厄介なのです。

うちのコマルくんがこの不正咬合を患ってます。

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シマリスの歯の構造

シマリスには切歯と呼ばれる「前歯」が上下に二本ずつ計4本が生えていて、とても硬くて丈夫なのです。

クルミなどの木の実を齧るときにもこの切歯を使って齧ります。

齧歯目が持っている切歯は、生涯伸び続ける性質があります。

なんだかサメの歯にも通ずるところがありますが、一生伸び続けるのでは都合が悪いですよね?

そこで、上手く切歯を削れるような仕組みもしっかりできているのです。

シマリスは硬い木などを齧る習性があるのはこの切歯を適度に削るためであり、普通は齧っているとちょうどいい長さに自然と調整されるのです。

 

切歯の噛みあわせの悪化

普段は上手く上下の歯が噛み合わさって適度な長さに保たれている切歯ですが、何らかの原因で噛みあわせが悪くなってしまうと自然に切歯をすり減らす事が出来なくなってしまいます。

一度噛みあわせが悪くなってしまうと、切歯はどんどん伸び続けてしまい、歯が異常な方向に伸びてしまいます。

この状態を不正咬合と呼びます。

 

原因はなに?

ものを齧る続ける習性があるシマリスは時として、齧るべきではないものまで齧ってしまう時があるのです。

これに代表されるのは、金網ケージの金網を齧るパターンです。

齧った時の刺激によって歯根の変形や炎症を引き起こし、歯の形成に障害をもたらします。

また歯が折れてしまったり、根元から曲がってしまったりもするのですが、一本の切歯に異常があると残りの切歯にも影響がでて噛みあわせが悪くなってしまうのです。

 

放っておくとどうなるの?

進行した不正咬合は、シマリスの食事にも影響を及ぼします。

食欲はあっても、硬いエサを齧って食べることができずに柔らかいエサを選って食べるようになります。

しかし更に症状が悪化すると、柔らかいエサさえも食べられずにどんどん痩せていってしまうのです。

ずっと放っておくと、伸びすぎた上の切歯は内側に湾曲し、口腔内に当たって出血することもあります。

また下の切歯は外側に伸び続け、鼻先に当たってしまって口を閉じる事も出来なくなってしまいます。

 

治療方法は?

残念ながら一度不正咬合を発症したシマリスを完治させる術はありません

対応としては伸びすぎた歯を定期的に切るほかないのです。

実際にコマルが不正咬合を患っていますが、現在は月に一度のペースで獣医さんに通っています。

もちろん歯を切ってもらう為、ただそれだけなのですが自分で切ってあげるとなると難しいものがあるのでここは獣医さんに頼むほかないと思います。

よほど大人しく人懐っこいリスなら話は変わるかも分かりませんけどね(笑)

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歯を切る処置費用は一回500円です。

初診のみ高かった記憶がありますが、それ以降はそれほど高くないです。(あとで調べたら¥2,000でした)

歯を切ってもらうだけで500円は高いと思われる方もおられるかと思いますが・・

自分で切って失敗した時のリスクとシマリスの事を思えば安い方かと・・

獣医さんといえど、どこの獣医さんでもシマリスを診てくれるわけではありませんので、予めシマリスを診療できる獣医さんを探しておくべきです。

食べにくそうにしている場合は、ペットミルクにペレットやクッキーをふやかして与えると効果的です。

あくまでもどうしても食べない場合の手段として試してください。

普通に食べられるに越したことはないのですから。

 

予防策は?

不正咬合にならないようにするには、とにかくヘンなものを齧らせない事。

ケージの金網を齧らせない事です。

ケージ齧り防止グッズも売られていますし、ケージ内に齧る専用のグッズを入れておくといいと思います。

 

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さっぱり分からない・・

こうして記事を書き綴っているものの、うちのコマルが不正咬合だと分かったのはコマルを飼いだしてから4か月を超えたくらいからでした。

コマルはケージを齧ったことは一度もないリスだったので、原因がさっぱりわかりません。

獣医さんが仰るには、ケンカか何かで歯根がおかしくなってしまったのではという事でしたが、ペットショップでの健康チェックでは正常だったのです。

でも気になることが一つ。

ペットショップの店員さんが言っていた一言と、コマルのペットショップでの偏食です。

ショップにいたときにコマルは他のリスに攻撃されたことがあるらしく、耳の根元に傷があったのです。

これに関しては完治寸前だと説明もあったし、歯を含めその他部位には一切問題は無かったのです。

偏食に関しては、ペレットを食べずに種子類しか食べない厄介なリスだと説明を受けてたのです。

ひょっとしたらその時既に、不正咬合になる前兆があったのかも分かりません。

 

まとめ

一度不正咬合になってしまったリスは完治不可です。

症状が進行すればエサを食べられなくなる等様々な問題を抱える事になりますので、定期的に伸びすぎた歯を切ってもらうようにしましょう。

また、食べないからと言って与えるエサを限定してしまうのは良くありませんので、様子を見ながら通常のエサも食べさせるように努力しましょう。